35年前アメリカ・アトランタでの瓦工事の記録

会社資料として保存している懐かしい工事現場写真の中から今日はご覧ください。

35年前に、有名な某企業様経営の日本食レストランの屋根工事を請け負い、アメリカのアトランタに行って工事させていただいて来ました。


現地の職人さんたちに和型のいぶし瓦の屋根葺き工法を弊社の屋根職人がやって見せて伝えながら、工事を進めて行くのは、最初はなかなか大変だったようです。
『英語ができないから、初め何でも身振り手振りだったよ。』と、当時工事に行った工事部長である屋根職人から話を聞いたことを覚えています。






工事が進むにつれ慣れて、この写真では二階部分の屋根が出来上がって来ています。



一階部分の屋根も葺き上がってきて
この写真を見て、和型の瓦屋根なのに、とってもすっきりした印象。

軒部分に軒瓦が葺かれてないことと、棟部分がのし瓦など使われず、素丸瓦だけで葺かれていて棟の両側の鬼瓦や巴瓦なども無いところから屋根全体がシンプルな印象です。

和型の瓦を使っても、「ここの屋根の部分にはこの瓦を使う」という既成概念が無い国のためか、セオリーにとらわれない施工の屋根は、35年前なのに、現代的な感じを受けます。


レストラン敷地内の塀には塀瓦も使って施工しました。


流れの大きな屋根。
スタイリッシュに葺き上がっています。

工事期間は2ヶ月に近く、ビザを更新しながらの工事になりました。



工事が行われたのは今と同じくらいの季節。
クリスマスマーケットなどで街が賑やかだったそうです。


先日山梨に伺って大栄窯業さんの道上さんとお話した際、一ノ瀬瓦工業さんがオープンされたサロン内の屋根を見ながら、最近、軒瓦などを使わないスタイリッシュでシンプルな日本瓦の屋根に関心を持ってくれる設計士さんが増えてきていると伺い、このアトランタの屋根のことを思い出しました。

機能的なことをクリアしながら、これまで屋根のいろいろな部位に使われてきた瓦を省略していくと
日本の風土に合った和型の瓦の性能の良さをそのままに、こんな屋根も作られるといった屋根の一つのスタイルとして提案していくこともできるのかもしれません。
既成概念にとらわれないことにも可能性が生まれそうです。


35年前にアトランタでの工事を見事に完成させた工事部長は、それから長く名工事部長また取締役として弊社の屋根葺きの技術を牽引し続けてくれ数年前に引退しました。

多くの社員の頑張りがあって現在があることを再び思います。

▼屋根リフォーム（各屋根材の葺き替え工事・雨漏り修理・瓦のズレ修正・漆喰工事等）
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